没個性テーマパーク:EXTRA

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エキサイティングな空中戦『カウボーイビバップ 第4話「ゲイトウェイ・シャッフル」』を観賞した《評価・感想・レビュー》

行き過ぎた環境保護の行く末はRPGのラスボス化かも

 よくよく言われる話ですが、正義は人によって違って、例えば警察にもヤクザにもベクトルが異なるだけで、己が信ずる正義があるわけです。正しい意味での確信犯として。

 今回の『カウボーイビバップ』では環境保護(動物愛護)団体<スペース・ウォリアーズ>というのが登場します。この、環境保護や動物愛護という考え方は、それ自体は素晴らしいですし、正しいとか間違っているとか意見する気は毛頭ないのですが、保護的な考え方を極限まで突き詰めていくと「環境を救う、動物を救うには人間に滅んでもらうしかねぇ!」っていう考え方に行き着きませんかね? RPGのラスボスとかで、元々は人間だったけども、人間の汚さや世界に対する悪影響を目にし、心が闇に染まり「人間共を根絶やしにするしかねぇ!」ってなるパターンもそれなりにありますよね。それって、案外正解だなあと感じることがあって、悪役にも肩入れしてしまう私なのですが、結論として、地球を守るためにはやっぱり人間を滅ぼすしかないってことになりますよね! やらないけど。

 まあ、それは結局は極論に過ぎないのですが、このお話に出て来る<スペース・ウォリアーズ>も、そういった思考に染まってしまった人間の集まりですので、世界にとって優しい人間は最終的に独善的なモンスターになってしまうということなのかも知れないなと再認識しました。

 ここでニーチェの言葉を思い出しますね。「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。」まさにその通りだなと共感します。

スカッとする勧善懲悪の脚本

 以下、ネタバレとなりますのでご注意ください。

『ゲイトウェイ・シャッフル』は、かなり分かりやすい脚本でした。相変わらず賞金首を捕えられないスパイク&ジェット、突如として現れる高額賞金首(2500万ウーロンは第4話までだと最高額か?)、スマートに主人公一行に加わるヒロイン、危機一髪の空中戦……私のような分かりやすい展開が大好物の人間にとっては素晴らしく観やすく楽しい名エピソードでした。

 高額賞金首のトゥインクルがあまりに過激派で「動物保護をしない人間は猿にするしかない!」というトンデモ発想から、人類を猿化するウィルスをばら撒こうとします。それにしても、何故に猿? それも、800万人を相手に……恐ろしいお人だ。も、もしかして、猿の惑星になってしまうのでは? なんて邪推してしまいましたが、地球とは別の惑星の話ですので、それはないか。一旦、人類を猿に戻して、もう一度、文明をやり直せ! というトゥインクル的な愛が感じられなくもありませんが、やってることは言うまでもなく滅茶苦茶ですので、それをスパイク達が止めようと奔走します。

 スペース・ウォリアーズとの対戦の中で特に、空中戦は目を見張るものがありましたね。本来は長距離を瞬時に移動するために用意されている位相差空間ゲートの中で、手に汗握るドッグファイトが繰り広げられます。トゥインクルもやり手で、まさかスパイクとフェイをあそこまで追い詰めるとは思いませんでした。多弾頭ミサイルの描写には「サンライズカッコいい!」と制作会社に思いを馳せましたよ私は。そして、場面描写と合った音楽の効果的な使い方は本話でも健在! 素晴らしい完成度の高さでした。

 最終的には、2500万ウーロンのトゥインクルを捕らえることも出来ず、相変わらずの骨折り損になってしまうわけですが、このチームの度胸・テクニックであれば高額賞金首を挙げるのも遠くはないんでないかな? と、そう思わせる内容でした。

 あ、それから観ていて思ったのですが、位相差空間越しにミサイルがフェイの機体を通り抜けた時、フェイは「なんでっ!」と驚いているのですが、それに対してジェットが「ハイスクールで習わなかったか?」と、位相差空間とこちらの空間は永遠に交わらないことを説明するシーン……、これって実は伏線だったんだな、と今になって思います。うーむ、やっぱり奥が深いアニメだ。面白い。次の第5話も楽しみです。【管理番号:か001-001-004】

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