没個性テーマパーク:EXTRA

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断捨離は「ダン・シャ・リ」のヨーガ行法を利用した現代の呪文である

断捨離ヨーガ

 勿論、ストリートファイターの腕が伸びる人は関係ない。あれは本当のヨガの人だから火を吹いたり、テレポートすることも可能だが、今回の話には一切関係ない。

 断捨離はヨガの行法が元になっているらしい。断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)ってのがあって「断つ」「捨てる」「離れる」を超合体したものが断捨離なんだと。合体するのはゲッターロボと釣りバカ日誌だけにして欲しいものだが、断捨離も流行ってしまったのだから仕方がない。流行語大賞2010にもノミネートし、右も左も「ダンシャリダンシャリ!」世の中の一部の方々が「本気のバリバリなお掃除・整理整頓からの処分を断捨離っていうのな!」と壮絶な勘違いを起こして『断捨離』ワードを無闇に乱用している。

 つい最近、以下の記事が話題になった。ご存知の方は当然多いだろうが、いわゆる『息子のマジック:ザ・ギャザリング母親が勝手に断捨離未遂事件』である。

nlab.itmedia.co.jp

 一部では「悪質な釣りやろ!?」という意見も出ており、それもそうやなと私も思いつつ、しかしこれが真実か虚構かってことよりも出品者(母親)の「断捨離の為、片づけをしています」という書き込みが世界の闇を如実に表しているように感じたのだった。<断捨離>というワードを利用して自己正当化したいだけじゃないの? そう思った私は本当に怖ろしいと感じた。温暖化・幽霊・饅頭・断捨離──人々が恐れる言葉が新たに誕生してしまったんじゃないか。

 本件に限っていうと、引っ越した息子が残していった物を勝手に売り払おうとしているのだけど、それって本当に断捨離なのか? 本来の断捨離の意味は「生活に調和を齎そう」だったはずだ。家族の絆を断捨離して得られるものは後悔だけじゃないのか? ダン・シャ・リは滅びの呪文、個人的にはバルスよりも破壊力がある気がする。暴走した魔力が爆発を起こすカルベローナで代々伝わる例のアレくらいは強力なはずだ。

断捨離を魔法の言葉にして自己正当化するのは無理筋である

 この断捨離を唱えて家族の所有物を勝手に捨てる行為は、MTGに限らず度々発生している。その都度、インターネットで話題になってプチ炎上が発生する。夫のコレクションを勝手に断捨離したとか。

togetter.com

 ここでひとつ誤解なきように記したいのは、私は『断捨離』という言葉自体を否定したいわけではなく、断捨離を免罪符にして好き放題にやる行為がよろしくないと述べたいのだ。江戸時代の武士が切捨御免するくらい得意げなのが良くない。いや、武士が得意げだったのかは知らないが、勘違いした人は「断捨離! 断捨離!」って言っとけば人の物を捨てられると思っているのが最悪だ。その誤認識で家族間争いなどが起きてしまえば、下手すると事件にも発展しかねない。十分に気を付ける必要があるのではないか。それくらい断捨離ワードを使用する時は覚悟をして欲しいし、本来の正しい意味で用法・用量を守って欲しいし、端的にいえば断捨離するのは自分の物だけにして欲しいわけですよ。

実録★私のされた断捨離事件

 何でこんなことを長々と書いているかというと、実際に私が被害にあったことがあるからですよ。最悪でした。断捨離と言えば何でも許されると思っているのが怖いです。バンジージャンプ・スカイダイビング・ダンシャリ……この経験を記しておきたい。

 私は学生の頃、アルバイトで稼いだお金を月に3万円くらい本・CDに遣っていました。勿体無いですね。しばらく働いていると、そりゃ結構な量になってしまったわけで、本は1,000冊くらい。CDは1,500枚くらいになっておりました。これ、ダンボールに入れて保管してたんですけど、ある日家に帰ると全部なくなってたんですよね。「あれー?」って思うじゃないですか。結構、希少なものもあったんですよ。三才ブックスの『ファミ・コンプリート』なんてもう金掛けないと手に入らないし、Nomakの古いmixアルバムとか超レアだったんですよ。それが全部なくなってましてね。「あれぇー?」ってなるじゃないですか。

 それで両親に聞いたら母親は知らなかったみたいなんですが、父親が「いらないと思ったから断捨離した」「ブックオフに売った」みたいなことを仰るわけですよ。ぶっちゃけ殺意の波動に目覚め掛けましたが、よくよく聞いてみると、勝手に売ったお金は酒代とタバコ代とスロット代に消えてしまったそうで、私が10年以上掛けて集めてた沢山のアイテムたちが天国か地獄に行ってしまった。もう絶望感とか失望感とか虚無感とか色々なものが渦巻いて、いい歳して泣きそうになったんですが、もうダメ元でそのブックオフに連絡したわけですよね。そしたらまだ一部の商品は残ってたようで、お金を払うから返して欲しいと懇願したら、その日の内に家まで持って来てくださいました。

 ブックオフは迷惑な話だったかも知れませんが、買い取って貰った商品の内で半分くらいは既に何処かへ発送されてしまったようで、全部は返って来ませんでした。何故、こんなことが起きてしまったのか……買った物をダンボールに入れていたのが良くなかったのか、私の日頃の行いが悪いのか、ちゃんと「このダンボールに入っている物には触れないこと! 間違っても売らないこと!」って貼り紙をしていなかったからなのか。若干、怒り口調で父親に「勝手に人の思い出を売るなよ!」と言いましたが「ごめんなさい」と返答されて終わったので、もう別の意味で終わったな! と、逆に清々しい気持ちになるのでした。売却分のお金も返して貰ってません。プライスレスの意味を考えてしまいました。お金で買えない価値はもう戻って来ない……。

 しかし、「断捨離した」ってのはどういうことだったのでしょうか? 未だによく分かりません。それと、三才ブックスの『ファミ・コンプリート』だけでも弁償して欲しいと思ってます。初版本だったのに。

断捨離は本来の意味を、本を買って勉強してから使用して欲しい

 これ以上、どこかで悲劇が起きるのを黙って見ていたくありません。その内、またプチ炎上は発生するだろうし、誰かが勝手に誰かの何かを売ったりしているかも知れない。許可取ってくれ許可を! 本気で私は願うのでした。今思い出しても、先述の出来事は残念です。あゝ無情。

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