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没個性テーマパーク:EXTRA

Wait a minute, wait a minute. You ain't heard nothin' yet!

語るべきことがなくても何かを語ることは出来るが、それが何かを残すとは限らない

アルデバラン

 アルデバランという言葉を聞いて何を思い出すか、それが内包する意味はおうし座α星であり、おうし座の中で最も明るい恒星、全天21の1等星の1つ、冬のダイヤモンドを形成する恒星の1つでもあるということなのだけど、そんな天文的な知識を身に付けていて「アルデバランとは──」なんて語れる人は世の中にほとんどいない。少なくとも私の周りには存在しない。アルデバランと聞いたら、聖闘士星矢の登場人物かパズドラのキャラクターを思い浮かべる人が多いだろうし、マイノリティの部類であれば、やはり刻命館の鉄仮面であろう。件のゲームのアルデバランは猟奇的な快楽殺人者だが、館にやって来た主人公であるゼメキア王国の第一王子に屠られて以来、登場はそれきりなのだけど、記録より記憶に残る強烈なキャラクターで、そう考えるとやはり鉄仮面のインパクトは大きい。個人的にとても気になることとしては、どうしてアルデバランは自宅ともいえる刻命館で蒸れて蒸れて仕方がないであろう鉄仮面を被り続けていたのかだ。自宅でパンティストッキングを頭から被って生活をし続ける人はあまりいないだろう。同じように、鉄仮面を被ったまま生活を送る人はいない(はずだ)。恐らく、それには相応の理由があって、人には見せたくない顔面の傷跡があったり、実は途轍もない美青年なのでギャップを隠すために顔を覆っていたり、鉄仮面だと周囲が思っていたそれこそが本体だったり──と様々な想像が膨らんでいくのだが、結局はそれほど大きな意味もなさそうで、ただ好きだから被っているだけなのかも知れない。意味がそれほどない癖に、意味ありげなことなんて世の中にいくらでもある。意味のないことに勝手に意味を付けてしまうことも多々ある。それが繰り返し続けられて人の世は形成されていくものだ。人は意味を探し続けている。

ポリシーのある悪

 物語には正義と悪が付き物だが、描くことにおいて悪ほど魅力的なものはない。正義は<世の常であり正しいこと>を描けば大義名分が通るし、分かりやすく簡単なのだが、反面退屈な存在だ。しかし悪はそうもいかず<正しいポリシー>が必要となる。悪は方向性を違えたままダークサイドに落ちてしまった存在だから、正しい意味での確信犯を描かなくちゃいけない。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーで言えば、ラスボスが何故に世界を陥れようとしたり、人類を滅ぼそうとしているのか、その理由を納得が出来る形で描かなくてはならない。たまに気まぐれで何となくという奴もいるが、それは本物の悪だ。ケフカがそれになるかな? 恐ろしい。

 ひとまず、そういう特殊パターンは置いとくとして、例えば悪の存在と言われる者であっても、方向性が誤っていたとしても、一部の人間にはそれが正しいのかも知れない、と思われせる者が実直でポリシーのある健全な悪です。

 簡単な例とはなりますが、例えば次のような感じ。

「人類を野放しにしていると戦争が起きる、人が人を殺す。この星にとっても人類は悪い影響を与えているのだから滅んでしまった方が世界のためになる。悲しみの歴史を繰り返さないためにも、人間は存在しない方が良い」そういったことを純粋に考えて、実行に移してしまうのが、物語性がありポリシーを身に付けた実直の悪です。しかし、こうした具体性のある考え方を持っていて信念が通っている場合は、必ずしも本質的な悪であるとは言えないのかも知れない。何せ、自分が信じるものを救おうとしているのだから、何かを救おうとして戦うのであれば、反面何かが犠牲になるのは当然。この実直の悪に賛同する者がいたとして、正義と相反するのであれば、どうしても戦うことが生じ、戦争になるし、犠牲者も出るのだから、結局は正しいことと正しいことが戦っていることになり、どちらも正義でどちらも悪になり得るという悲しい結末が待っている。小学生や中学生の頃はRPGをプレイしていてもそこまで深くは考えなかったが、今にして思えば人類とモンスター、どちらかが滅ぶ戦いは、結局正しさ同士がぶつかりあっているだけなのだ。本当に世界を平和に導くのであればモンスターすらも多様性として取り入れて、人類にとってもモンスターにとっても手を取り合って生活が出来るような世界を作ることが本当の平和であり正義であると。そういうの実現したゲームあったかな、ある気はするけど私は知らない。

悪は笑ウ

 悪役は笑い声に特徴があることが多いのですが何故だろう。アルデバランは「ヒイッヒッヒッヒッヒッヒ」だしエクスデスは「ファッファッファッファ」だし王騎は「ンフフフフ」「コッコッコッコ」だし、ケフカは「(文字では表現出来ません)」。悪役じゃない人が混じってたような気がしないでもないが、それは置いといて、アクの強いキャラクターはやはり笑い声に特徴がないとダメなんでしょうね。悪だけに。

 よくよく考えると笑ゥせぇるすまんも笑ってますし──ご存知でしょうか? 笑ゥせぇるすまんはメフィストフェレスがモデルだとか……。

 そういえばリアル世界でも悪い人って笑ってる印象があるな、悪徳金融とか札束片手に笑ってたりとかしてそう……ああ、そう言えば帝愛の会長もいっつも笑ってるな。

 ここで斬新な一手として、正義の味方を笑わせるのはどうなのだろうか? そういう漫画なさそうな気がするけど、あるのだろうか? RPGの主人公が「クァカクァカクァカ……」とか「ゲヒゲヒゲヒゲヒィ」とか笑うのもありなんじゃないか? そもそも、笑うことってポジティビな要素だろう。笑う角には福来たるとも言うし、何故に笑う主人公は少ないのか。私はここで主人公も笑うべきではないかと宣言したい。

 主人公「ギョヒッグギョヒッグギョヒッグゥ」こんな笑い方でも世界を平和にしようとしているのであれば十分ありなのだが、やはり悪役な感じがしてしまうのだろうか。だが、やっぱり悪い奴しか笑わないのは不自然だと思う。

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