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ハンパないスピード感で疾走する無気力系哲学コメディ『REPLAY & DESTROY 第1話「GET UP TOMMY」』を観賞した《評価・感想・レビュー》

爆発寸前のぽんぽん

「山田孝之の映画かドラマを観たいなー」と思って調べていたら見付けた本作。早速、第1話を鑑賞しましたが、これは掘り出し物ですよ。かの名作『木更津キャッツアイ』を思い出しました。

 脱力系なのにスピード感溢れるコメディって最近は結構珍しい気がします。ちなみに、見出しに書いている<爆発寸前のぽんぽん>ってのは、冒頭で山田孝之演じるフリーター・横山要が饒舌に語っているエピソードです。大した話ではなく「どうして帰宅途中にお腹が痛くなったら、家に近付くにつれてギリギリ爆発寸前になるのか?」という内容です。きっと、誰しもが経験ありますよね? 家に帰る700m手前なら「あ、まだ余裕だわ!」って感じなのに、何故か家の玄関をくぐるタイミングになると「マジで飛び出しちゃうわ!!」ってなる。何なんでしょうね? 他にも、本屋とかCD屋とか行くとトイレに行きたくなります。緊張感ってやつが影響してくるのでしょうか?

 完全に脱線しましたが、第1話の感想いきたいと思います。以降、ネタバレに繋がる内容がございますので未見の方はご注意ください。

あらすじ

 フリーター・横山要(山田孝之)は、同居する真野真広(林遣都)、新田広重(阿部進之介)と命懸けのジェンガバトルを繰り広げていた。勝負は佳境に差し掛かりつつあり、真野の番となっていたが、その集中を乱すべく横山による<どうでも良い無駄話>がこれでもかと続いていた。そんな折、ハーフ女子高生の葛西ルーシー(小林涼子)から横山宛に謎の写メが届く。その内容は<地下鉄のホームで中年男性がチンピラにハイキックを決めている>謎の光景だった。三人は衝撃的な瞬間に大爆笑しつつ、ジェンガ勝負も決したため、中華料理屋:再見へ向かう。

 実は写真がルーシーによって撮影された時、地下鉄のホームにはもう一人の男がいた。それはトミーこと、ルーシーの担任教師である富田(吹越満)だった。彼はチンピラに絡まれている中年男性を目撃しつつも、そこに割って入れなかったことを後悔していた。「自分はあの時逃げ出してしまった。本当に正しかったのか?」自己嫌悪に陥る富田だったが、ルーシーの手引きで横山たちと出会うことになり……。


予告篇 60秒

口から先に生まれた男:横山要

 今回の話は登場人物たちの顔見せ的な要素が強く、中でも主人公である横山要のインパクトは凄かった。何せ、ドラマの内容はほとんど彼が喋り続けているだけなのだから、そりゃインパクトもありますよね。ただ、口が達者なので不思議なことに飽きないで聞いていられる。時折、ハッとさせるような名言(みたいなもの)を口遊むこともあり、不意に心が打たれて「俺も横山が言う通り変わらなきゃな!」という風に感化されてしまうくらいだ。

「人が変化を諦めたら、生きてる意味なんかねぇんだよ」

by 横山要(REPLAY & DESTROY 第1話より)

 こちらに引用したもの以外にも、横山の饒舌な口振りの中には、所々にキラリと光る言葉が織り交ぜられている。「そうそう」と頷いてしまうくらいだ。

 言葉が人を変える

 今回のお話で語られたのは<一歩を踏み出す勇気について>だったと思う。とても普遍的なテーマだし「誰かが誰かを傷つけている時、それを知った自分はどうすれば良いのか」を改めて考える切っ掛けになった。きっと、どこかでこういったシチュエーションを経験した人はいるのではないだろうか。

 私は真夜中のすすきので一方的に殴られている人を目撃して警察に通報をしたことがありますが、それが本当に正しかったのか、もっと自分が一歩踏み出して声を掛けることも必要だったんじゃないかとか色々と考えましたよ。まぁ、下手するととばっちりで死にかねませんから、答えを導き出すのは難しいことかも知れませんが。

 ただ、こういった、横山要が率直に(そして安易に)語る言葉に耳を傾けることによって人が変わる可能性があることは間違いなくあるだろうな。言葉の受け取り方は人それぞれだが、受け取ることによって些細でも何らかの化学反応は起こるだろう。

人は恐怖を感じた時、その場所に真っ先に戻らなければならない

 見出しの言葉は、舞城王太郎『熊の場所』で学んだものです。正確ではないと思いますけど、今回の『REPLAY & DESTROY』を観て久々に思い出しました。

 意味合いとしては、人間が強い恐怖やストレスを感じる出来事に遭遇した時、その場所にすぐさま戻って、恐怖やストレスを感じた物事を取り除かなければ、永遠にその場所へ行くことが出来なくなる。なんて感じです。

 例えば、或る山に行って熊に遭遇して逃げ出したら、もうその山に行くことは出来なくなります。ですので、その山に行けなくならないようにするためには、すぐに猟銃を持って熊の場所に戻り、そいつを駆除することです。そうすれば自らのテリトリーを狭めることはなくなります。

 先に書いた内容は極端な例なので、実生活に置き換えるのであれば……普段から付き合いがあった人と誤解が生じて極端な軋轢が生じてしまったとしましょう。そうなった場合、もう二度とその人との関係を構築することが出来なくなってしまうわけです。友情であったり、信頼する仕事上の関係性であったり、そうしたものが崩れてしまうことが誰しもにも起こり得るでしょう。

 そういったことが起きたら、真っ先にすることはその対象の相手とコンタクトを取ることです。一番良いのは直接会って話をすることで、そうすることにより、二度とその人と会うことが出来なくなるという最悪のケースは脱することが出来ます。これは私がプライベートでも仕事でも大切にしていることです。経験則上、この考え方でデメリットが起きたことはほとんどありません(場合にもよるでしょうけど)。

 考え方とは書きましたが、この行為には勇気が必要となります。勇気や後押しをするものって、結局は自分の気持ちだけなんですよね。あとは物事を深く考えないこと。あらゆることを簡単に考えて、時には無鉄砲さも持って物事と対峙することが必要なのだと感じています。

 なんて、この話を観て思い出しましたよ。また脱線したね。

気軽に観られるのでオススメ!

 ちょっと長文になってしまいましたが、本作はコメディとしてよく出来ていますし、スピーディなので退屈せずに視聴することが出来ます。重厚なドラマを求めている人には向かないかも知れませんが『木更津キャッツアイ』や『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』などが好きな人にはオススメです。【管理番号:R001-001-001】

 

 第2話の感想は以下からご覧下さい。

 白ブリ高校生と若者の苦悩・悶絶・青春が炸裂する『REPLAY & DESTROY 第2話「パンイチ・ララバイ」』を観賞した - 没個性テーマパーク:EXTRA

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