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没個性テーマパーク:EXTRA

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『疾風ロンド』ぶっ飛び!!一気に100万部を突破した痛快エンタメ大作らしいので読んでみた《評価・感想・レビュー》

飛行機乗り遅れる奴

 先日、東京へ出張に行った帰り、日帰りだったせいもあって異常に体が疲れており、気がつくと搭乗口付近で眠ってしまいました。そして、飛行機に乗り遅れるという大変にショッキングな出来事に見舞われました。時計を見ると出発時刻の5分後……よくよく確認すると全然違う搭乗口に居たし、正直なところ結構なショックを受けたのですが、航空会社の方に相談をしてみると便の変更手続きが出来ました。ありがたいことです。それまで飛行機の出発に乗り遅れる奴とか何考えてるんだろうとか思ってましたが、皆さん寝てしまっていたのではないかという推論に立つと、なるほどなるほどと感慨深いものもあります。本当に申し訳ございませんでした。もう飛行機乗り遅れる奴をバカにしません。

 さて、変更となった後の便は2時間後ということで、時間が出来てしまいました。やることもないですし、スマホの電池も落ちていたのでシャドウバースも出来ません。kindleも電池切れです。仕方がないので紙の本でも読もうと思いANA FESTAを覗いてみたのですが、あまり好みの本がありません。文庫本の並びも侍とか武士とかが活躍するものが多く、気分が乗りません。その中にあったのが『疾風ロンド』でした。東野圭吾氏の作品ですが、いきなり文庫ってことで、本屋さんに平積みされてたな……。厚さもそれなりで痛快エンタメ大作ということだったので選んでみました。

  あらすじ

  お金目当てで昔在籍していた研究所から超危険なウィルスを盗み出した悪い元研究員はそれを雪山に埋めた。春になればウィルスが入った容器が破裂し、社会で大問題になる仕組みだ。おそろしいおそろしい。「そんなことになったらヤバいだろ! 金を払え!」と元研究員は研究所のお偉いさんを脅して悦に入っていたが、美味しい物を食べようと思っていた所で事故死。なんとも残念、なんたる不幸な奴。だけどウィルスは雪の中にあってヤバいままなので、何とか探し出さなきゃならんと気合いを入れる研究所の偉い人。部下の研究員に「ウィルスが入った容器を探し出せたらお前を出世させたる」と甘い餌を垂らすことを忘れずに捜索を指示。目印はテディベア、少な過ぎる情報にガックリしながら研究員は息子と共にウィルス入り容器の行方を追い始める……。

エンタメであることは間違いない

 東野圭吾作品を読んだのはかなり久しぶりで『探偵ガリレオ』以来である。リーダビリティに優れているので相変わらず読みやすいが、問題の大きさと比べて登場人物がコミカル過ぎる気がした。嫌いじゃないけどライトな雰囲気だったので、重厚さはあまり感じられない。恐らく著者も意図的に、出来るだけライトな印象の読みやすいものを綴ろうとしたのだと思う。お話は分かりやすいので中高生にもオススメだ。冬の読書感想文にしようね。

 ストーリーはサクサク進んで行くが、いかんせん偶然に頼り過ぎている感があった。詰め将棋的なプロットというよりは、トランプゲーム的な、偶然の連続で何とか上手く解決して良かったねーと、いうような感じ。

 ただ、対象の層はサクッと本を読みたい人だと思うので、この作り方は間違っていないだろう。事実、私のように飛行機に乗り遅れて時間を潰したい人にはもってこいの作品だ。読後感も爽やかでオチも悪くなく、東野圭吾入門編としては良いのではないだろうか。

 本書の最後には東野圭吾氏による「自炊はダメだかんね!」という簡単なメッセージが載ってて、最近の東野圭吾作品には全部これが入ってるのかな? 電子書籍には好ましい印象を抱いていないことは知っていましたが、kindleユーザーとしては複雑な気持ちになりました。自炊は私もしませんが、電子書籍は出して欲しいのですが……。

映像化が進んでいます

 タイトルのキャッチーさと実際の物語のライトエンタメ感から、映像化の判断は間違いがないように思えます。主演が阿部寛ということで私も楽しみです。120分くらいで少し笑いを交えながら時にハラハラしつつ楽しめる作品になると良いなと。監督は『サラリーマンNEO』の吉田照幸ということで色々と盛り込んでいくのは間違いないでしょう。


『疾風ロンド』予告編

 

 次に飛行機に乗り遅れた時は『白銀ジャック』を読もうと思います。【管理番号:ひ001-001-002】

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