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没個性テーマパーク:EXTRA

Wait a minute, wait a minute. You ain't heard nothin' yet!

大抵のRPGは、旅立ってすぐ弱い敵ばかり出るけど、それって不自然だよね

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ドラゴンクエストもファイナルファンタジーもだけど~

 まあ、例外もあるっちゃありますけどね。

 RPGにおいて、主人公が勇者ってこと多いじゃないですか? ドラゴンクエスト3だと、アリアハンからオルテガの息子である勇者が旅立つ――わけだけど、周辺地域にはスライムとかおおがらすしかいません。ファイナルファンタジーだったらゴブリンとかね。つまり、旅立った地から抜けると、基本的に弱くて楽勝にねじ伏せられる奴等が出てくるわけですよ。

 うーん……ファミコン時代の迷作である『星をみるひと』なんかは、出発した途端に強敵が出るっていう皆様からのツッコミも当然、理解出来るわけですけど、それでも殆どのRPGはゲームバランスがしっかりとしているわけですから、大抵は倒し続ければレベルを上げられるような魔族業界の最下層ザコモンスターが出現するわけですよね。

 だけど、ここで思い至るのですが、小学生の頃は疑問にすら思わなかったソレについて「本当はリアルじゃなくない!?」っていつしか考えたりしちゃったわけです。

主人公が生まれた街が、別の場所だったらどーするの?

 主人公が旅立ちを迎える街の周辺に、スライムとかゴブリンしか出現しないって、不自然じゃないですか? もし、ドラゴンクエスト3の場合で言うと、勇者が生まれ育った街が貴族(もしくは都会人)意識の高いエジンベアだったりした場合は、周辺に出てくるモンスターが強いわけじゃないですか? もし、修行も運動も筋トレもしなかったら、レベル1の状態で、じごくのよろいとかバーナバスなんかには間違っても勝てないわけですよ。それこそ、一撃必殺で虫の息、簡単にやられてしまいます。エジンベアの王様なんて「とかいじんなのに、しんでしまうとはなにごとじゃ!」とか絶対に言い出しますよ? 出生の地によって、そんな理不尽が許されても良いのでしょうか? しかし、生まれながらにして人生ハードモードって場合があるのは良く聞きますし、本来的に生を受けた場所が強敵モンスター群に囲まれている場合があっても不思議ではないわけです。だからこそ、私は『何故、勇者が生まれる街の周辺地域には弱い敵しか出ないのか?』を考えたいわけです。

例えば、本当に強い敵しかいない地域から旅立つとしたら、どうするのか

 出生の地がロンダルキア付近だったらえらいことでしょうが、まあここは仮定として、もう少し現実味を帯びた場所にしましょう。例えば、生まれた場所がジパングだったら……。我々もジパング在住ではありますから、そうだとしたらどうなるかを想定してみましょう。

 ジパング周辺には、ごうけつぐま、だいおうガマしかいません。やまたのおろちなんて以ての外です。バラモスを倒そうと意気込んでも、悠々自適にレベルアップを重ねることが出来ない環境です。強い敵に苛まれ、息絶えると「くまが~、カエルが~」とうなされながらにして目覚めることは想像に難くありません。こうなってしまったら、自らの仲間に頼るしかなくなってしまいます。

 勇者がジパングから(レベル1の状態では当然)単身では旅立てないのだから、いくらか強い身内を作らなければいけません。ドラゴンクエストもファイナルファンタジーも、強い味方さえいれば問題なく(戦闘中に何もしなくとも)経験値を得ることが出来ます。それを狙うしかない! つまり、ジパングに住んでいる人々の中で、ある程度レベルの高い住人を勧誘して、仲間に引き込むしかないのです。そして、その仲間が敵を倒すのを草葉の陰に隠れながら見守り、レベルが上がるのを待つ。これが現実的な方法なのではないでしょうか?

 地域に熊が生息していれば、マタギくらいは存在するでしょう。

生まれ育った強敵生息地帯に強靱な住人がいない場合

 この見出しの場合は、もう『待ち』の一手しかありませんね。そう<旅人を待つ>のです。RPGの世界では、主人公一行を別にしても、世界を渡り歩いていると思われる猛者がいます。ドラゴンクエスト4では、勇者を追い求めてライアンが世界中を旅していました。カジノでウロウロしていることから、実はギャンブル狂なのではないかと噂される彼ではありますが、戦士としては非常に優秀な人材です。もし、ジパングで生まれ育った勇者が周囲の助けを借りられなかったとしても、ライアンのような冒険者を待ち続け、見付けたならば「旅に同行させてください!」と言えば、メキメキとレベルが上がるのではないでしょうか。

それすらも現れない辺境の地だったら、どうするのか

 もうこうなったら、最終手段は『逃げ』の一手ですね!

 どんなに強い敵がフィールドで現れても、逃げれないことはありません。何せ、ボス敵ではないですからね……そもそも、ボス敵からは何故、逃走出来ないのか問題もありますが、それは別の機会に考察することとします。

 逃げの一手を駆使し、何度か息絶えながらも、運良く逃げ続けることが出来れば、いつかはアリアハンのような弱い敵しか生息していない地域に辿り着くことが出来るかも知れません。そこでレベルを上げれば良いのです(ジパングは島国ですが、船くらいはあるでしょうし)。

本題に立ち返る「何故、主人公が生まれ育った街の周辺には弱い敵しか現れないのか?」

 前段が長くなるのはいつものことですが、本質的な問題は本稿の見出しです。

 これは私の仮定となってしまいますが、いわゆる『歴史は繰り返すメソッド』が重要なのではないかと思われます。つまり、RPGの世界においては、ラスボスとなるような悪意の固まりである存在が定期的に、時代を経ても100年とか200年のスパンで現れる。これを、先人の方々が想定している場合はどうでしょう?

 ドラゴンクエスト3は勇者の始祖として存在する<ロト>の物語ですから、生まれた地域に雑魚しかいなかったのは、単純に運が良かったからかも知れません。しかし、彼がゾーマを退治した後に、実はこう考えていたとしたらどうでしょうか。

「私は魔王を倒した。世界は平和になったが、しかし、この後に、また悪意を抱いた存在が世界を窮地に陥れるかも知れない。ならば、私の子孫が、それを倒せるような土台や環境を作らねばならない」

 ここで、ご存じない方のために記載しておくと、ドラゴンクエストはロトシリーズ(1~3)と天空シリーズ(4~6)が存在しております。ロトシリーズは時系列が特殊で、3→1→2となっており、3が最も古い時代の物語を描いたものとなります。

 勇者の始祖である<ロト>は、恐らくアレフガルドにおいて、最も周辺のモンスターが弱い場所に、自分の今生の地を据えたはずです(ラダトームですね)。もしも、未来に強大な敵が現れたとしても、自分が住んでいる地域で子孫が繁栄してゆけば、戦闘技術を磨くのは容易なはずです。

 ドラゴンクエスト3の世界は、ゾーマが倒されたことにより、魔物がなりを潜め、一見、平和を取り戻します。勇者はラダトームに居を構えたわけですが、しかしそこで自らの子孫にこう告げたはずです。

「今、我々が住んでいるラダトームは平和であるが、しかしこれからまたモンスターが人間に対して牙を剥くようなことがあれば、出来るだけモンスターが弱い地域に住居を移しなさい」と。

 この方法論を取れば、勇者の子孫はモンスターが弱い地域に少しずつ居を移していくはずです。結果的に、世界で最もモンスターが弱い地域に、勇者の子孫が生まれることとなります。

 ドラゴンクエスト3以後の世界である1や2でも、勇者の子孫がモンスターの弱い地域に生まれたのは、こうした理由から整合性を得ることが出来るのではないでしょうか。

 恐らく、先述の台詞を告げた勇者に対しては、周辺住民が「勇者の子孫であれば、モンスターが強い地域に住まいを構え、その街を守るのが責務ではないのか?」なんて呟いたかも知れません。だがしかし、勇者を育てるという観点で、先見性を持った見解を述べるのであれば、モンスターが弱い地域に子孫を繁栄させることこそが、世界を救う可能性を最も高める方策に違いないのです。

 もしも、こうした考えに至っていなかったとしたら、後世の勇者はモンスターが強い地域で生まれ、世界を救えない事例も生まれてしまうかも知れません。結局、世界を救うのは、RPGの世界においては様々な経験を重ねた猛者に他ならないのですから、このような考えを採用した方が有意義です。周辺住民に後ろ指を指されようと、未来を見据えるならば、ね。

ほとんどのRPGは、この考え方が採用されているのではないだろうか?

 ゲームクリエイターの皆様が、こうした見地(および境地)に立ち、主人公の出生の場を決めているのかといえば、当然そうではないと思いますが、「勇者の子孫である」という設定が保たれた内容であれば、先祖である世界を救った勇者が、こうした考え方で居を移していたと考えるのも、RPGの奥ゆかさを感じるためには有意義でないでしょうか? 個人的には、私はそう思います。

 何せ、これなら不自然ではないですからね。

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