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没個性テーマパーク:EXTRA

Wait a minute, wait a minute. You ain't heard nothin' yet!

ティム・クックCEOがiPod classicの終了を宣言したので思い出を綴ってみる

 誰でも音楽を聴くってわけでもないし、そもそもiPod classicなんて、まともにCDを買う人が必要とする容量を持ったガジェットではないことも理解した上で、僕はどれだけiPod classicを愛しているのかを此処に記しておきたくなった。

 僕が音楽を聴き始めたのは中学2年生の頃。周りはサザンオールスターズや平井堅、DA PUMPとか宇多田ヒカルなんかのヒットチャートを賑わす様々なアーティストを耳にしていた中で、いまいち僕はその潮流に乗り遅れていた。

 興味が抱ける曲がなかったのが大部分の理由だったし、音楽が、何を起因として皆の心に浸透していったか、どうして音楽を聴かなきゃならなかったのか、どこで自分が愛するアーティストを見付けてくるのか? そうした諸々を理解する術も知らずに、ただ黄昏れていて、ファイナルファンタジーのサントラなんかを聴いていたのだけど、ある時、衝撃的な音楽がテレビジョンから流れてきた。それがJAPANESE HIP-HOPというやつだった。


Rappagariya feat. Backgammon, Miyoshi Zenso, Indemoral - shichi nin no samurai

 今、2014年となった現在に聴いても心震わす素晴らしい楽曲であることは(個人的に)肯定すべき事実だが、深夜1時や2時にわけの分からない音楽番組で流れてきたこの楽曲こそが、僕を音楽の世界に引き摺り込むに十分なインパクトを持っていたことは間違いがない。

 僕は翌日、CDショップへと足を運び、このCDを手に入れた。未だに走馬党の党首であるQ氏には感謝しても仕切れない。

 JAPANESE HIP-HOPには特殊な文化があって、まあ海外では当たり前だけど、当時の邦楽界では珍しかったFeaturingという概念があった。この「七人の侍」という楽曲が納められていたアルバムは『ラッパ我リヤ伝説』というタイトルだったが、参加アーティストはラッパ我リヤだけでなくOZROSAURUSのMACCHOや雷家族のTWIGY、そしてZEEBRAとかとか……とにかく様々なラッパーが参加していた豪華盤だった。

 Featuringアーティストが多数参加していたこともあり、そこから「MACCHOって格好いいな……OZROSAURUSってどんな曲あるんだろ」と考えて、またOZROSAURUSのアルバムを買って、そしたらまたFeaturingで別の人が出てて、またそっちにいって……といった風に、気が付けばJAPANESE HIP-HOPの黎明期のアーティストを聴き尽くしていて、毎月のアルバイト代はCD購入に充てられ、僕の家には本当に実際、腐るほどのCDが蓄積されていった。

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 僕はいつしか、JAPANESE HIP-HOP以外も聴くようになり、RockとかPopとか、枚挙に暇がない。更に良くないことに、ジャケ買いにハマってしまい、ジャケットがカッコいいという理由だけでCDを買うようになって、どんどん頭の悪い状態になっていった。こうなっては、音楽の管理とか、どうやってこのCD群を聴き尽くせば良いのか、名実共に意味不明な状態となってしまった時に目を付けたのがiPodだった。

 iPodって凄い。AAC形式(256kbps)なら、ここにあるCDは大体収まるんですよね。僕がiTunesにインポートした曲は約15,000曲程度で、本当のCDマニアに比べたら大したことはないのだけど、それでも楽曲管理という側面でいえば、iPod以外には選択肢は無かった。手の平に収まるくらいの大きさの電子機器に、自宅のCDが全部収まるなんて、とんでもないことだ。

 iPodにはいくつかの選択肢があり、純正のiPodといえばiPod classicであり、他にもiPod nanoやiPod touchなどあったが、やはり大容量かつ無骨な印象と「俺、iPod持ってるぜ! 本体もでかいし!」と感じさせるのはiPod classicだった。未だにiPod classic使っているし、こいつが駄目になったら、新しいiPod classicを買おうと思っていたのだけど、ティム・クックCEOったら、それを終売しちゃうっていうんだから、少し悲しい気持ちになったりしますよね。

 現在、所持しているiPod classicは160GBあって、もう容量のこととか余計なことは考える必要がないんですよね。とりあえず、聴くかどうかは別にして、インポートしときゃいいんですよ。素晴らしいガジェットなんですよ、これは。戦場で後先考えずに戦えるってのは兵士にとっては理想なんですよね。あれ、話がズレてきているか。

 先に挙げたnanoとかtouchとかは、まだ容量的にclassicには勝てないんです。まあ、今後SSDなんか搭載しちゃって、ある程度の容量が確保されるかも知れないけども、インターフェースとしてもクリックホイールのシュラシュラした感じとかtouchでは出せないし、そういう所もティム・クック氏には残しておいて欲しいと思う所なんですよね。無理だけど。

 僕が使っている携帯電話はandroidだからiTunes Matchも選択肢としては選べないし、仕方ないけど今後はtouchになってくるんだろうなぁ……。それは少し寂しくて侘しい。

 電子書籍が普及してきて「kindleは紙の本の醍醐味がない!」というけども、それだって古臭い考えだとも思うけど、このclassicにこだわるってのも同じような感覚なんだろうなぁ……という気もする。でも、classicを愛するってのは、微妙にオシャレになりつつあるiPodとは全く違う魅力もあるってことを、ティム・クックCEOにも、もう一度、知っておいて欲しいなぁという気もするわけですよね。

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