没個性テーマパーク:EXTRA

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ゲームセンターのガチャガチャ

 先日、友人数名とゲームセンターへ遊びに行った。

 僕がゲームセンターに熱心に通っていたのは学生時代で、当時、隆盛を極めていた『三国志大戦』にハマっていたことが理由だ。今にして思えば、相当な金額を注ぎ込んでいた気がするが、その三国志大戦も2015年1月で稼働が終了するらしい。昔、楽しんだゲームがまだ稼働していたことも知らなかったが、ひとつのゲーム文化の終焉を感じさせる出来事で、意外と感慨深いものがある。なにせ、あの頃のトッププレイヤー達は、一日に数万円を対価として戦い続けていたからな……長く続くコンテンツなのだろうと思っていたが、実際、長く続いたものだ。

 ちなみに、三国志大戦は今回の話に関係はない。

 最近はゲームをすること自体が少なくなってしまい、そのゲームセンターについても筐体型ゲームをプレイしに行ったのではなく、単純な暇潰しとしてUFOキャッチャーやエアホッケーをすることを目的としていた。

 僕はUFOキャッチャーが好きで、何度も硬貨を投入しながらムキになり、欲しいアイテムが取れたところで我に返ってしまう。また、お金を無駄にしたと感じながら、何となく満足感を覚える……なんて状態。UFOキャッチャーは目に見える対象物を手に入れるために技術を駆使するものだが、同じく手に入れたい目的物があるにも関わらず、技術がなんの役にも立たない遊びがガチャガチャである。例えば6種類のアイテムがあって欲しいものが1種類だった時、確率は六分の一だが、六度回せば必ず欲しいものが出てくるわけではなく、六分の一の確率に従った抽選を繰り返す。一生欲しいものが手に入らないかも知れないけど、人生はなんてそんなもんだ。

 先述もした通り、一通り遊びたいゲームを遊び尽くした後、ゲームセンターから出る直前に、とても気になるガチャガチャがあった。表面に「あなたにとって、とても予想外な“アレ”が出ます」なんて記載があったもので、とても興味を引いた。そのゲームセンターは2階建てで、1階に降りる階段の踊り場に設置してあることからも、退店する客に敢えて遊ばせようとしている魂胆が見え見えであったが、予想外なアレって何だろう……と、近くにいた友人に聞いても、予測が付かなかった。

 普通、ガチャガチャを引いて出てくるものは、なんの変哲もないおもちゃだが、おもちゃですらないのか? 卑猥なものが出てきたらどうしよう……。気まずいじゃないか。しかし、やっぱり、気になる。

 100円で引けるし、やってみるか。そう思ってお金を入れて出てきたのは、閉店間近のゲームセンターで帰る直前の僕らにとって、確かに予想外の代物だった。

 なんと、メダルゲームのメダルが10枚出て来たのだ。

「これは……」そのゲームセンターの従業員(もしくは、店長だろうか?)は、なんてえげつないことをするのだ。特定のゲームセンターのメダルなんて、店外に出たところで処理にも困るし、価値は無に等しい。しかし、今にも店を出ようとしている客に引かせるなんて、なかなかの工夫を感じる。「もうちょっと遊んでったら」という無言のメッセージを感じさせるには十分な仕掛けだ。

 仕方がないので滅多にやらないメダルゲームを少しやってみたが、こういう時に限ってメダルが増えてしまい、店側からしたら大層迷惑な客だと見られたかも知れないが、これは彼らの工夫が成功しているということの証左でもあるので、この仕組みを考えた人には「よくやってくれたね(色々な意味で)」という言葉を尊敬の念を抱きつつ、贈りたい。

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